こんにちは、ます。です。
令和2年度の京都工芸繊維大学の編入試験も受験したので、体験記をまとめていきます。
京都工芸繊維大学(以下、京繊)は一般入試では京大や阪大の滑り止めで受ける方が多く、レベルの高い大学です。
そんな京繊についてですが、
TOEICの利用ができ、試験日程も早く、追加合格もあるので、編入ではかなり合格しやすいです。
これを機に受験を検討してみてはいかがでしょうか。
目次
京都工芸繊維大学を受験した理由
ぼくは、パテントコンテストで表彰されたことがあり、そのときの表彰式で審査員に言われたことが印象に残っています。
「高専生は技術はすごいけど、使いやすい設計やデザインは足りないよね」
今までの自分は、正直、機能がよければいいなと思っていたので、衝撃的でした。
そんなことで、京繊となんの関係があるのかという感じですが、
京繊はデザインに強いです。デザイン科学域という学域があるくらいです。
面白いと思いませんか?デザインも学べる大学って。
そんなこんなで受験をきめました。
ところで、私は電子システム課程を志願しましたので、試験科目は数学、物理、専門(電気回路)、英語(TOEIC)を受験しました。
試験は1日のみで各課程、別々の試験会場で受験しました。
試験時間は数学、物理 が午前中に行われ、専門試験が午後に行われます。
試験内容
毎年、大学のHPに過去問をあげているので詳しい内容は知りたい人はHPで確認してください。
数学 (90分 200点満点)
大問1 行列
大問2 極限
大問3 偏微分
大問4 二階微分方程式
いつもどおりの難易度でした。基本的に簡単でしたが、行列の最後の小問は初見でよくわからなかったですが、ゴリ押しで答えを書きました。
大問1つにつき、解答用紙は1枚なのでかなり詰めて書かないといけません。
丁寧に解答を書いていたら意外と時間ギリギリでした。本番と過去問では全然違うなあと身にしみました。
過去問を60分以内で解けると本番でちょうどいいかもしれません。
出来は計算ミスがあり9割くらい
物理 (90分 150点満点)
大問1 振動とエネルギー保存
大問2 電界分布(1〜3次元)
大問3 薄膜の干渉
京繊の物理では毎年、熱力学が出るので、かなり勉強したのですが、波動が出るという予想外の展開でした。
力学は計算がめんどくさい問題でしたがエネルギー保存が成り立ったのでたぶん大丈夫。たぶん。
電磁気は3次元の電界の大きさの図示に苦戦しました。
おそらく、大きさなのでグラフは正になるのですが、焦って絶対値取り忘れた気がします。
波動は回収されるときほとんどの人が白紙でしたが、東北対策でエッセンスをかじっていたので、なんとか解ききれましたが、思い返せば、半分くらいミスしてた気がします、、
波動が解けたかどうかが今年の合格の要だったのかもしれません。
出来は6.5割
専門 (60分 100点満点)
大問1 交流、キルヒホッフの法則
大問2 RLC並列過渡現象
大問1が2年生の定期テストレベルの問題で簡単すぎだろと思いながら解きすすめました。
大問2は過渡現象でしたので、正直なところ余裕かなと舐めていたところ、1番めんどうなRLC回路でした。
コンデンサが最も早く減衰する条件を求めないといけなくて、ここで間違えば残りの数値計算も間違うといった問題でした。
さらに、今年は解答用紙が答えのみだったので、部分点はない鬼畜仕様でした。
最後に消費電力が2μJとか出て「小さすぎん??」と思って不安でいっぱいでした。
回収されるときに見えた周りの答えはどれも違う値で全員不正解なんじゃないかなとか思ってます(笑)
出来は8割くらい。
試験対策
数学
数学は編入用の参考書で対応できると思います。レベルとしては簡単だけどちょっとクセがあるといった感じです。配点が高く簡単な方なのでミスせずに乗りきりたいところです。
傾向としては、大問が4つあり、
大問1が行列、
大問2が重積分、広義積分、極限、連続、微分可能性、
大問3が2変数関数
大問4微分方程式
からよく出ます。
徹底研究や過去問特訓などで勉強したらこのあたりの分野を重点的にやるといいと思います。
微分可能性とかは徹底演習にはのっているのでそれで対策すればいいかなと。
問題は簡単なので、普通に勉強すれば解けるようになれると思います。
物理
物理はかなりレベルの高い問題が多いです。中には旧帝大クラスの問題もたくさんあります。
問題構成ですが、力学と電磁気はもちろん、出ますが、熱力学、まれに波動も出ます。
今年はまれにみる波動の年でした。
だいたいの人は物理が解けてないことが多く物理を制すればほぼ合格するんじゃないかと思ってます。
力学
力学、振動やエネルギー保存を中心によく出てる印象。過去問を見ると「なんじゃこれ」となるような問題がたくさんあります。よく読めば基礎的な問題であることが多いです。公式の証明などはしっかりおさえておくと良いでしょう。
ここでいう基礎は、「本質的」という意味での基礎なので、簡単という意味ではないことに注意してください。
大学生の初等力学でかなり対策できます。
電磁気
電磁気は傾向としてコンデンサが少し多いかなという印象。
これも力学と同じく、公式もしっかりおさえて、そこそこ演習量をこなす必要があると感じました。
大学生の電磁気学がオススメです。
熱力学
熱力学ですが、大学レベルがバンバンでてきます。
一昨年はエンタルピーが出ましたので、正直かなりレベルが高いです。
かなり前にポアソンの式の証明やクラウジウスの式も出てたこともあります。
公式の証明はもちろん、範囲で言えば、ギブス・エネルギーやヘルムホルツエネルギーあたりも意味などは覚えておいた方が良いかなと思います。
熱力学第二法則までは確実におさえましょう。
とはいえ、熱力学は公式が少なく勉強する量は少なく楽です。ほぼ毎年出るので対策すればかなり点数につながると思います。
キャンパス・ゼミなどで対策していくといいと思います。
波動
波動は僕の知ってる限りでは2回しか出てないですが、高校レベルです。
物理のエッセンス、名問の森で戦えます。
一応、やっておくといいかなというレベルでしょう。
専門科目(電気回路)
専門(電気回路)は、教科書で基礎をつくって、詳解電気回路演習をやっておけばいいでしょう。
過渡現象は毎年出てる印象があります。
過去の傾向としてはQ値がよく出ていていますので、直列、並列の場合の公式、周波数を用いた公式などを覚え、意味を理解し計算できるようにしましょう。
詳解電気回路演習を完ぺきにすれば編入試験の電気回路は網羅できると言われています。
さすがに、問題量が多いので、過渡や共振を中心に解いていくといいでしょう。
TOEIC
745で提出しました。
正直なところ、500点くらいあれば大丈夫かなと思っています。
金フレ、文法特急、公式問題集をやりこめばとれる点数だと思います。
配点は数学、物理の方が高いのでこの2科目をしっかり固めるのが賢明です。
滑り止めを受けるにあたって
ぼくは京繊を滑り止めとして受けたので、滑り止めを受けるにあたって思ったことを紹介します。
まず、滑り止めは全力で臨め!と言いたいです。
というのも、滑り止めは本命に落ちたときのために受けるものです。
落ちてしまうと浪人の危機がせまるので、なんとしてでも引っかかる必要があります。
ここで、気づいてほしいことは、高専生が滑り止めにする大学のほとんどが国立大学ということです。
しかし、滑り止めでも国立であるので普通に試験のレベルも高いです。舐めてたら落ちます。
この京繊もTOEICが700くらいある人でも落ちています。
滑り止めで落ちてしまうと本命までメンタルを保ちにくくなってしまうので、全力で合格を狙いに行った方がいいなと感じました。
そのためにも、試験科目や日程などはしっかり確認して受験することが大切です。
結論、「滑り止めだから受かるだろうという考えはあまりしない方がいい」というアドバイスでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
京都工芸繊維大学は試験が難しいわりに合格しやすいです。
京都住みになれる大チャンスです。
京都住みあこがれませんか?
ぼくはあこがれます。(笑)
滑り止めに悩んでる方も志望校に悩んでる方も受験候補に入れてみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございました、みなさんのお役に立てれば幸いです。
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